「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」が届いたら? いっしん司法書士事務所にご相談ください

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 いっしん司法書士事務所 司法書士 杉原佑典です。

 今回は、法務局から「長期間相続登記等がされていないことの通知(お知らせ)」(以下「通知書」といいます。)という書類が届いた方に向けて、

「この書類を受け取った自分は、今どういう状況にあるの?」
「この書類を無視していたらどうなる?」
「自分一人では解決できそうにないので誰かに相談したいけど、どこに相談すればいい?」

といった“よくある疑問”にお答えしていきたいと思います。

 通知書を受け取って困っているという方で、明石市・神戸市・加古川市など近隣エリアにお住まいの方は、弊所ご来所又は出張によるご相談予約をご検討ください。
 なお、Zoom・GoogleMeetなどを使用したWEB相談にも対応しておりますので、遠方にお住まいの方からのご相談も承っております。





1.通知書はどのような経緯で届くのか

 まず、この通知書はどのような経緯で届くのか、ということついてですが、
通知書をご確認いただければ以下のような記載があるかと思います。

(下記は、某法務局から届いた実際の通知書の文面からの抜粋です)

この度、所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法(平成30年法律第49号)の規定に基づき当局において調査した結果、下記の土地について、所有権の登記名義人が亡くなられているものの、名義がそのままの状況となっており、その後も長期間にわたり相続登記等がされていないことが判明いたしました。

つきましては、当該土地の不動産登記簿上の所有者の法定相続人の地位(戸籍等によってその旨を確認することができた方。)にある貴殿に対し、その旨を通知いたします。

今後も相続登記がされない状態が続きますと、更なる相続が発生するなどして権利関係が複雑となり、将来の登記申請が困難になるおそれがあります。この機会に、必要な登記申請やその前提となる相続人間の協議を行っていただきますよう御理解と御協力をお願い申し上げます。

参考)法務局(法務省)のウェブサイトにも解説があります。

■ 長期間相続登記等がされていないことの通知を受け取った方へ
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00470.html

(上記ウェブサイトより引用)

 法務局では、長期間に渡り相続登記がされていない土地について、所有権の登記名義人の法定相続人を探索し、その結果を登記するとともに、現在の所有権登記名義人の相続関係を一覧化した図を登記所に備え付ける事業を行っています。
 この法務局による探索の結果、判明した法定相続人に対して、法務局から、長期間相続登記がされていない土地があることをお知らせするとともに、相続登記の申請を促す通知を送付しています。

 

 

 不動産の所有者が亡くなった後に行う名義変更の登記手続を一般に相続登記といいます。
 相続登記は、令和6年4月1日から義務化され、原則として相続開始日から3年以内(※)にしなければならないこととされました。
(※)令和6年3月31日以前に発生した相続については、令和6年4月1日から3年以内(=令和9年3月31日まで)

 「義務化された」ことから分かるとおり、相続登記は、これまでは法令上の義務ではありませんでした。
 「実家の土地建物が、数年前に亡くなった父の名義のままになっている」…なんていう話はごくごくありふれたものです。
 義務化の影響で「そろそろやらなければ」と動き出している方が出てきている一方で、いまだに相続登記が義務化されたことをご存じでないのか、何らかの事情があって手が付けられないのか、いずれにしても放置されたままになっているケースもまだまだ多いというのが現状でしょう。

 登記簿(登記記録)を見ても現在の正しい所有者の氏名や住所などが把握できない土地のうち、必要な調査を尽くしてもこれらの情報が判明しない土地を特に「所有者不明土地」といいます。
 所有者不明土地は、公共事業や災害復興等の支障となるとして、大きな社会問題となっていますが、長期間相続登記等がされないまま放置されている土地があふれていることも、所有者不明土地発生の大きな原因であるとして、近年、政府が複数の施策を講じています。

 前記ウェブサイト記載の「長期間に渡り相続登記がされていない土地について、所有権の登記名義人の法定相続人を探索し、その結果を登記するとともに、現在の所有権登記名義人の相続関係を一覧化した図を登記所に備え付ける事業」を「長期相続登記等未了土地解消事業」といいますが、これもその施策の一つという位置づけです。



 以上から、あなたの手元にこの通知書が届いた経緯は下記のように整理することができます。

(1)まず、日本のどこかにあなたに関係のある「長期間相続登記等がされていない土地」があります。

※ その土地の所在や地番については、通知書の別紙に記載されています。

(2)法務局がその土地の所有者の戸籍等を辿ったところ、辿り着く相続人の中にあなたが含まれていました。

※ あくまで「戸籍を辿った結果」であり、血縁関係や婚姻・養子縁組・認知などは反映されますが、反対に、戸籍に記載されない事項(代表的なものとして、相続放棄をしたかどうか等)は反映されていません。

(3)法務局が、相続登記の手続を促すために、相続人の代表としてあなたに通知書を送付してきました。

※ 通知書は、相続人のうちの任意の1名に対して行われていますので、あなた以外の相続人はまだこの事態を把握していない可能性があります。


 これで、「この書類を受け取った自分は、今どういう状況にあるの?」という疑問はある程度解消したのではないでしょうか。

 さて、次に気になるのは「で、この後自分は何をしないといけないの?」ということかと思います。





2.通知書を受け取ったら、すべきことは何か

 通知書に記載されている通り、法務局があなたに通知書を送付する前の段階で戸籍等を調査した結果は、「法定相続人情報」という一覧表にまとめられており、これは最寄りの法務局で交付してもらうことができます。


 通知書を受け取った後にあなたが「すべきこと」の例としては、以下の(1)~(5)などが挙げられます。

※ なお、通知書に記載されている長期相続登記等未了土地の存在をもとから知っていたかどうかや、長期相続登記等未了土地の所有者(=被相続人)の相続人をもとから把握できているかなどの具体的な事情によって、まず何から始めて、どのような順番で処理していくとスムーズかは異なってくるかと思いますので、下記(1)~(5)は、ここでは順不同のものとしてご確認いただければと思います。

 


(1)法務局で「法定相続人情報」を取得し、自分以外の相続人とその住所を把握する。
(2)法務局で、通知書に記載の長期相続登記等未了土地の登記事項証明書(登記簿謄本)等の資料を収集する。
(3)法務局での所有不動産記録証明制度の利用、市区町村役場での固定資産課税台帳の閲覧(名寄せ)制度の利用等により、長期相続登記等未了土地として通知された土地以外に被相続人名義の不動産がないかを確認する。
(4)(1)で取得した「法定相続人情報」に記載されている自分以外の相続人と連絡がつくかどうかを確認する。
(5)(4)で相続人全員と連絡がついたら、長期相続登記等未了土地(また、他に被相続人名義の不動産があればそれも含む)の名義をどのように変更するかについて話合いがまとまりそうかどうかを確認する。

 

 最終的に、話し合いがまとまれば遺産分割協議書を作成し、登記申請手続へと進んでいくことになりますが、上記(1)~(5)の全部または一部について専門家のアドバイスを受けながら進めていきたいとお考えの場合は、早期の段階で司法書士にご相談されることをおすすめします。
 また、上記(1)~(5)のうち、事務的な作業である(1)(2)(3)については、専門家である司法書士に任せてしまうという選択肢もありますので、法務局や市役所での資料収集が負担に感じる方は、最初に司法書士へのご相談をご検討されるとよいでしょう。






3.通知書を無視していたらどうなる?

 

 まず、既に述べた通り相続登記は令和6年4月1日から義務化されています。
 正当な理由なく義務を履行しない場合、10万円以下の過料に処せられる可能性もあることから、少なくとも通知書を受け取った後、司法書士等の専門家への相談や、「正当な理由」に該当する事情があるかどうかの検討などを経ることなく、単に無視するという対応はやめておいたほうがよいでしょう。

 もし、あなたが既に相続放棄をしている(そのため、自分はこの相続問題に関係がない)等の事情がある場合は、通知書を送ってきた法務局にそのことを連絡しましょう。(そうしないと、あなた以外の相続人が、長期相続登記等未了土地の相続人になっていることを知らないままとなる可能性があります。)

 既に相続放棄をしている等の事情がなければ、通知書を無視していても、あなたが長期相続登記等未了土地の所有者の相続人の一人であるという事実は変わりません。
 それでも無視し続けた場合、この長期相続登記等未了土地の問題は、あなたが亡くなった後、あなたの相続人に引き継がれることになります。あなた(方)が対応しなければ、問題は次の世代に先送りされるだけ、と表現することができます。

 高齢化が進む我が国では、相続人自身が高齢者であるというケースが少なくありません。
 そこで問題が先送りされると、通知書を受け取った時点では生存していた相続人が数年後には死亡していたり、認知症で判断能力に問題が生じていたりすることが珍しくありません。
 上記は必ずしも高齢者に特有のリスクというわけではありませんし、病気などの事情がなくても、相続人の一人が行方不明になっているとか、仕事で海外に転居してしまい容易に連絡がとれなくなっているという事態も想定され、いずれにしても、これらのリスクは時間の経過とともに増大するのが通常です。

 なお、何十年も前の相続に関する手続は、司法書士に相談するなどして問題解決へ向けた取り組みを進めたとしても、既に上記のような問題が生じていて手続が頓挫するという事態もある程度想定しなければなりません。
 また、相続人全員と問題なく連絡はつくのだけれど、誰も積極的に名義を引き取ろうとしない…などの事情で、「結局、解決しなかったじゃないか」となるケースも少なくないというのが実情ではあります。
 もしやむを得ず問題を次の世代に引き継ぐことになるとしても、
● 現時点で当事者は何人いるのか?
● 何が原因で手続が進まないのか?
といった問題を整理しておくことには一定の意味があると考えます。
そのためには、まず「できるところまでやってみる」必要があります。

 これは私見ですが、こと何十年も前の相続に関する問題においては、「時間の経過により、かえって問題が解決に向かった」というケースよりも、
上の世代の人が早めに対処してくれていれば、(もっと低いコストで)解決できたはずなのに、今となっては問題が複雑化しすぎており手がつけられない」…というケースのほうが多いのではないか、と思います。


 ちなみに…
 一般的な相続登記の手続では、被相続人と相続人全員の相続関係を証明するための戸籍謄本等は、当事者(相続人)が費用を負担して集める必要がありますが、通知書が届いた方については、法務局が既に戸籍調査を終えており、法務局で取得できる「法定相続人情報」という書面にまとめられています。
 そのため、少なくとも相続登記手続を行うにあたり、「法定相続人情報」を作成するために必要となった戸籍謄本等については、当事者(相続人)が費用を負担して、一式そろえる必要はありません。

 もし、問題の土地が法務局による長期相続登記等未了土地の解消作業の対象になっていなければ、戸籍収集等にはそれなりの手間と費用がかかっていたはずです。
 そこは国が負担してくれていますので、不本意かもしれませんが、これを後押しととらえ、問題解決に向けて、まずは資料収集・専門家への相談などに着手してみてはいかがでしょうか。






4.誰に(どこで)相談すればよい?

 

 通知書を受け取った後は、早期の段階で司法書士にご相談されることがおすすめであるということについては既に述べたとおりです。
 不動産登記手続についてはオンライン申請が普及しているため、必ずしも現地の近くの司法書士事務所から選ぶ必要はありません。
 直接会って相談することを重視するのであればご自宅やお勤め先からアクセスのよい司法書士事務所を、WEB面談やメール等でのやりとりが可能であることなどを重視するのであればそれらに対応できる司法書士事務所を探してみてください。

 なお、たとえば相続人の中に行方不明者がいるという場合は、「不在者財産管理人選任申立て」や「失踪宣告申立て」など、裁判所を通じた手続を伴う場合があります。そのため、これらの手続が伴うような複雑な事案であれば、相談先は、こういった裁判所への提出書類の作成等もまとめて対応できる司法書士事務所が望ましいでしょう。
 弊所は、こういった事案についても対応実績があります。

 また、これは何十年も前の相続の手続に限らず相続一般に当てはまることですが、話し合い(協議)で遺産分割がまとまらない場合は「遺産分割調停」など、またしても裁判所を通じた手続を伴う場合があります。この場合、弁護士等の他士業と連携して対応する必要が生じることも少なくないため、相談先の事務所に、他士業と連携できるネットワークがあるかも重要です。

 その他、相続した後の不動産の売却相談も必要ということであれば、信頼できる不動産仲介業者(宅建業者)のご紹介が必要になるでしょうし、相続した空き家の片づけが必要ということであれば、信頼できる遺品整理業者のご紹介が必要になるでしょう。弁護士・税理士・土地家屋調査士などの士業だけでなく、こうした他の専門職種(業者)とのネットワークがある事務所であれば、ワンストップサービスが期待できます。


《 いっしん司法書士事務所の強み 》
相続を専門的な取扱分野としており、長期相続登記等未了土地の相続登記手続や旧民法時代の相続登記手続についても取扱い実績がある
弁護士・税理士・土地家屋調査士等の他士業と必要に応じて連携した対応ができる
信頼できる不動産仲介業者(宅建業者)・遺品整理業者等とのネットワークがある

事務所が明石の法務局から徒歩約4分と近く、法務局で法定相続人情報などの資料を
取得してからの相談予約といったスケジュールも組みやすい

交通アクセス良好(JR明石駅から徒歩約8分・国道2号線沿い・お客様駐車場あり)
Zoom・GoogleMeetなどを利用したWEB相談に対応しており、事務所周辺エリア(明石・神戸・加古川など)以外にお住まいの方だけでなく全国からのご相談に対応可能
土日祝や夕方・夜間のご相談対応も可能(要ご予約)

 通知書が届いてお困りの方は、いっしん司法書士事務所にご相談ください。
 問題解決に向けてどのような選択肢があるか、一緒に考えましょう。

 弊所へのご相談をご希望の場合は、相談予約フォーム・お問い合わせフォーム・お電話・公式LINEからお気軽にお問い合わせください。

 司法書士 杉原佑典

執筆・監修
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司法書士 杉原 佑典

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