
1.「相続が発生したら、まず何をいつまでにすればよいのか?」
明石のいっしん司法書士事務所 司法書士の杉原です。
私どもの事務所では、相続や生前対策(終活)を専門分野(の一つ)としており、
相続・生前対策(終活)・空き家のことなら【いっしん司法書士事務所】
とホームページや名刺に載せていることもあってか、
多くの方から「相続のことで相談をしたくて…」とのご連絡をいただきます。
ご相談の内容をお聞きしてみると、
* ご家族がお亡くなりになって間もない方
* ご家族がお亡くなりになったのは数年前だけれど、不動産などの名義変更ができていない方
* ご両親はまだ健在だけれど、お亡くなりになった後のことが今から心配な方 など、
それぞれのご相談者様が置かれている状況は様々ですが、
「相続に関することで、いろいろと分からないことは多いのだけれど、
まず誰(どこ)に相談すればよいのかがわからない(わからなかった)」
という声をよくお聞きします。
たしかに、相続に関するお困りごとの相談先は、司法書士以外にもたとえば弁護士さん、税理士さん、金融機関さん、不動産会社さんなど多数存在しています。
特にこれまでの人生の中で相続手続の当事者(相続人)となったことがなく、今回が初めてだという方にとっては、どういうときに誰(どこ)に相談するものなのかということからして、イメージしづらいものでしょう。
もちろん、私ども【いっしん司法書士事務所】にご相談いただけましたら、司法書士の専門分野(業務としてお引き受けできること)のことはもとより、
それ以外の「全般的なお困りごと」のご相談にもご対応させていただきますし、
お話を伺って他の専門職(弁護士、税理士、不動産会社など)との連携が必要そうだと判断した場合には、信頼できる専門職にお繋ぎしたり、チームを組んでワンストップでのご対応をいたします。
とはいえ、いきなり司法書士事務所に電話をかけたり、問い合わせフォームからメールを送ったりするのはハードルが高い…というお気持ちもよく理解できます。
また、「今のところ具体的に専門家の力を借りたい事情があるというわけではない(もしくは、専門家の力を借りる必要があるのかどうかの判断がまだついていない)のだけれど、初めてのことでまず何をすればいいのか、何を話し合えばいいのかが全然わからないから、とりあえず今後の流れの把握や、やるべきことのリストアップだけでもしておきたい…」というニーズもかなりあるように思われます。
そこで、他社様の提供しているサービスで大変恐縮ではありますが、このようなお困りごとを抱えていらっしゃる方にとって役立つものとして、
「そうぞくガイド」
という、2023年にリリースされたばかりの新しいサービスをご紹介したいと思います。
《「そうぞくガイド」》 https://sozoku-guide.bk.mufg.jp/
※外部サイトへのリンクです
2.「そうぞくガイド」活用のススメ
このサービスは、三菱UFJ銀行さんが運営しているものですが、
・三菱UFJ銀行さんに口座を持っていない方でも利用できる ほか、
・そもそも個人情報を入力する必要がないので、どなたでも安心して利用できる
ものとなっています。
コンテンツは、下記の三本柱で構成されています。
①「そうぞく診断」 ②「やることリスト」 ③「専門家検索」
①の「そうぞく診断」で、お亡くなりになられた方の死亡日、職業、年代、お住まいの形態(持家・賃貸など)…などを順番に入力していくと、
②の「やることリスト」が出力されます。
「やることリスト」は、
☑ 葬儀後すぐにやること
☑ 10日以内
☑ 14日以内
☑ 1ヶ月以内 …
というふうにカテゴリ分けされています。
また、様々なパターンに対応した網羅的なチェックリストと異なり、「そうぞく診断」で入力した情報を基にしたリストが出力されますし、各項目に関する説明文や一般的な必要書類なども情報として提供されていて、非常にわかりやすく、親切なつくりとなっています。
さらに、(専門家への相談を希望する、または検討中と回答した場合)
「あなたのケースでは、この専門家への相談を検討してみては?」
ということも教えてくれる(提案してくれる)ので、
「なるほど、親名義の不動産もあるし、
まずは近くで相談できる司法書士を探せばよさそうだ」
… といった具合に、相談先の目処も立てることができます。
なお、そのままの流れで、対象エリア(ご相談者様のお住まいのエリアなど)の対応が可能な専門家の検索をすることもできます。
一度出力された診断結果(やることリスト)は、ブックマークして繰り返し確認することができるというのが便利です。
3.「いざというときのための備え」としての活用
上記でご紹介した「そうぞくガイド」は、ご家族の方が既にお亡くなりになり、
「まず何をすれば?あと何をすれば?」
という課題に直面している方に向けたサービスではありますが、
「両親はまだ健在だけれど、高齢ではあるので、
万が一亡くなった後は何を・どこで・いつまでにすればいいのか、
あらかじめ把握して備えておきたい」
… ということでお悩みの方にとっても、役立つサービスではないかと思います。
先日、プライベートで知人(親戚です)と食事をしているときに、ちょうど上記のような話が出たので、
「最近リリースされたばかりの新しいサービスで、こういう便利なものがあるよ!」と、
この「そうぞくガイド」(そうぞく診断・やることリスト)のサービスを紹介しました。
知人には、「もし明日、親が亡くなったら…」という想定で「そうぞく診断」を進めてもらい、(将来的な)「やることリスト」を確認してもらったのですが、
自分がやらなければならないことを具体的にイメージするのに役立ったそうです。
また、「いざというときに自分(たち)がやるべきこと」を確認することで、
☑ 「自分の親は、どこの銀行に口座を持っているんだろう?」
☑ 「医療保険や生命保険の加入状況はどうなっているんだろう?」
☑ 「葬儀や納骨についての希望はあるのだろうか?」 …などについて、
・ご両親と直接話してみる
・きょうだいなど(ご自身と同じく相続人となるべき立場の方)と話し合っておく
といった準備の良いきっかけになるのではないかと思います。
司法書士 杉原佑典
執筆・監修
